【第55回】マンガ家とデリヘルドライバーのダブルワーク【後編】

男性向けの求人サイトをチェックすると、デリヘルドライバーの求人はたくさん出ています。僕は風俗のことをそれほど知らなかったんですが、ジャンルの多さにビックリしたんですよね。

ギャル系とか熟女系は知っていましたけど、僕の好きなアニメキャラやゲームキャラのコスプレ系もあることに驚きました。そこで、僕は自分の本業に近いことからコスプレ系デリヘルに連絡をしたんです。

実は風俗に対して少し怖いイメージがあったんですけど、店長さんもスタッフさんも元気の良いハツラツとしたタイプ。そのおかげで僕は安心出来ました。面接では店長さんに本業のことを伝えました。

「マンガ家なんですか！
ウチはダブルワークも全然OKですよ！」
そして、僕は翌日からデリヘルドライバーとして働くことになったんです。

デリヘルドライバーの仕事は女の子を送迎しますが、このデリヘルで働く女の子は基本的にコスプレ好きのオタク系ばかり。

僕がマンガ家であることを知ると、すぐに心を開いてくれました。僕は女の子に対して苦手意識があったんですけど、そういった部分も安心出来ます。

しかし、僕は高収入だけでなく風俗マンガを描くためにデリヘルドライバーを始めたので、いつかはお客さんとしても風俗を体験しなければなりません。そのため、女の子から苦手なお客のタイプを聞くことにしました。

「不潔なお客はダメ」、「ガシガシと女の子を責めない」、「あれこれ個人情報を聞かない」、「遅漏よりも早漏の方がうれしい」などの情報を教えてもらえました。

そして、僕はこの情報を参考にして人生で初めての風俗を体験したんです。まさか、こんなに楽しい世界があるとは思いませんでしたよ(笑)。

それから僕は風俗の知識がある程度身についたので、風俗雑誌や風俗サイトに営業をかけたんです。すると、編集部から良いリアクションをもらい、風俗マンガを描かせてもらえるようになりました。

でも、風俗マンガの世界にもライバルは多いんです。だから、そういったライバルたちに負けないようにデリヘルドライバーをしながらリアルな風俗マンガを描けるようになりたいですね。まだまだ僕の風俗経験も浅いですから。

また、デリヘルドライバーのアルバイトは高収入なんで、生活も安定するようになりました。僕のようなダブルワークはおすすめですよ。

確かにスケジュールはタイトですけどシフトが比較的自由に組めるんで、本業に支障をきたすこともありません。
（おわり）

■原案：シュウイチ　■文/構成：ホシノシュウジ

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